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熱中症のサインを見逃さない!早期発見と応急手当
熱中症は、早期にそのサインを発見し、迅速に応急手当を行うことが、重症化を防ぐ上で最も重要です。どのような症状が熱中症のサインとなるのか、そしてそのサインに気づいたら何をすべきかを理解しておきましょう。熱中症の初期症状(軽症)としては、めまい、立ちくらみ、顔のほてり、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返りなど)、大量の汗をかく、といったものがあります。この段階であれば、涼しい場所へ移動し、衣服を緩め、体を冷やし、水分と塩分を補給するといった応急手当で回復することが多いです。しかし、これらの症状を放置したり、気づかなかったりすると、症状は進行していきます。中等症になると、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感(体がぐったりして力が入らない感じ)、集中力や判断力の低下といった症状が現れます。この段階では、医療機関の受診を検討する必要があります。そして、さらに重症化すると、意識障害(呼びかけに反応しない、言動がおかしい、意識が朦朧とするなど)、けいれん、運動障害(まっすぐ歩けない、手足がうまく動かせないなど)、高体温(体に触ると熱い、あるいは体温計で40℃を超えるなど)といった危険な症状が現れます。これは熱射病と呼ばれる状態で、命に関わる緊急事態です。この場合は、ためらわずに直ちに救急車を呼び、救急隊が到着するまでの間、できる限りの応急手当(涼しい場所への移動、衣服を緩める、体を冷やす)を行います。特に注意が必要なのは、高齢者や乳幼児、持病のある方です。これらの人々は、症状の進行が早かったり、自覚症状が乏しかったりすることがあるため、周囲の人が気をつけて様子を観察し、早めに異変に気づいてあげることが大切です。熱中症のサインは、必ずしも典型的な順序で現れるわけではありません。一つでも気になる症状があれば、「熱中症かもしれない」と疑い、早めの対応を心がけましょう。早期発見と迅速な応急手当が、あなたやあなたの大切な人の命を守ることに繋がります。