冷房病は、日常生活のちょっとした工夫で、その発症や重症化を予防することができます。快適な夏を過ごし、つらい症状に悩まされないために、今日からできる対策を心がけましょう。まず最も重要なのは、冷房の設定温度を適切に管理することです。外気温との差が大きすぎると、自律神経に大きな負担がかかります。理想は外気温との差を五度以内ですが、難しい場合は室温が二十八度程度になるように調整しましょう。冷えすぎは禁物です。次に、エアコンの冷気が直接体に当たらないように工夫することです。風向きを調整したり、ルーバーを上向きにしたり、扇風機やサーキュレーターを併用して室内の空気を循環させ、温度ムラをなくすのが効果的です。特に、オフィスなどで自分の席が冷気の直撃を受ける場合は、上司や同僚に相談して席替えを検討したり、パーテーションで風を遮ったりするなどの対策も考えましょう。服装による調節も大切です。薄手のカーディガンやストール、ひざ掛け、靴下などを常に用意しておき、体が冷えすぎないようにこまめに調節しましょう。特に、首筋、肩、腰、足首といった部分は冷えやすいため、重点的に保護すると効果的です。また、適度な運動を習慣にすることも、自律神経のバランスを整え、血行を促進し、冷えにくい体を作る上で重要です。ウォーキングやストレッチ、ヨガなど、無理のない範囲で続けられる運動を取り入れましょう。入浴も効果的です。シャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯(三十八度から四十度程度)にゆっくりと浸かることで、体が芯から温まり、副交感神経が優位になってリラックス効果も得られます。食事は、バランスの取れたものを三食きちんと摂ることが基本です。体を温める作用のある生姜やネギ、ニンニクなどを適度に取り入れるのも良いでしょう。冷たい飲み物や食べ物の摂りすぎは、内臓を冷やし、消化機能を低下させるため控えめにしましょう。これらの生活習慣を意識し、継続していくことが、冷房病の重症化を防ぐための鍵となります。
冷房病重症化を防ぐための日常生活の工夫