花粉症は、本格的な症状が現れる前に、いくつかの初期症状(前駆症状)が見られることがあります。これらのサインを見逃さず、早めに対策を講じることで、症状の悪化を防いだり、シーズン中のつらさを軽減したりすることが期待できます。花粉症の初期症状としてよく見られるのが、鼻のムズムズ感や、くしゃみが連続して出る、水のようなサラサラとした鼻水が出るといったものです。また、目の異物感や、かゆみ、充血、涙目なども初期に現れやすい症状です。その他、喉のイガイガ感や、顔や首筋がかゆくなるといった皮膚症状、あるいは何となく体がだるい、頭が重いといった全身的な不調を感じる人もいます。これらの症状は、風邪のひきはじめの症状と似ているため、見過ごされがちですが、花粉の飛散が始まる少し前から、あるいは飛散初期に現れることが多いのが特徴です。特に、毎年同じ時期に同じような症状を繰り返している場合は、花粉症の初期症状である可能性が高いと考えられます。もし、これらの初期症状に気づいたら、本格的な花粉シーズンに突入する前に、医療機関(耳鼻咽喉科やアレルギー科など)を受診することをお勧めします。医師は、症状やアレルギー検査の結果などから、花粉症かどうかを診断し、必要に応じて初期療法を提案してくれます。初期療法とは、花粉が本格的に飛散し始める二週間程度前から、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの内服薬や点鼻薬、点眼薬を使い始める治療法です。これにより、粘膜の過敏性を抑え、症状が出にくくしたり、症状が出ても軽く済ませたりする効果が期待できます。また、初期症状の段階から、花粉を避けるための対策(マスク、メガネの着用、帰宅時の花粉除去など)を徹底することも重要です。早め早めの対策が、花粉症シーズンを少しでも快適に過ごすための鍵となるのです。