昨年の秋、私はある朝突然の異変に襲われました。いつものように顔を洗おうと腕を上げた瞬間、右肩の奥に突き刺すような激痛が走りそのまま腕が動かせなくなってしまったのです。それまで肩こりは自覚していましたがこれほどの痛みは人生で初めての経験でした。これが噂に聞く四十肩かと思い知らされた瞬間から私の長い闘病生活が始まりました。最初の1ヶ月はまさに地獄のような日々でした。日中は何をするにも肩が気になりシャツを着替えるだけで10分以上かかり、さらに最も辛かったのは夜間の痛みでした。横になると肩が重力に引っ張られるのかズキズキとした拍動性の痛みが走り1時間おきに目を覚ますような状況でした。病院へ行くと診断はやはり四十肩の炎症期であり医師からは無理に動かさず炎症が引くのを待ちましょうと言われました。処方された湿布と飲み薬を使いつつ肩をクッションで支えて寝る工夫をするなど試行錯誤を繰り返しました。発症から3ヶ月が過ぎた頃ようやく鋭い痛みは消えましたが今度は腕が全く上がらないという新しい壁に直面しました。腕を横から上げようとしても90度もいかないうちに肩がロックされたように止まってしまうのです。これが拘縮期だと教わりましたがこの時期から理学療法士さんによるリハビリテーションが本格的に始まりました。硬くなった関節を少しずつ広げていくリハビリは正直なところ痛みを伴うものでしたが自宅でも教わったタオルを使ったストレッチを毎日欠かさず続けました。不思議なもので毎日少しずつ続けているとある日突然「あれ、昨日より少し後ろに手が回る」という小さな進歩を感じる瞬間が訪れます。その積み重ねが精神的な支えとなりました。半年が経過した現在、夜間痛は完全になくなり腕も耳の横まで真っ直ぐ上がるようになりました。以前と比べればまだ少し違和感は残っていますがほぼ以前の生活を取り戻せています。この経験から学んだのは自分の体を過信してはいけないということと病気には適切な回復のプロセスがあるということです。四十肩は単なる老化現象と片付けられがちですが当事者にとっては心身ともに削られる過酷な病気です。それでも正しい知識と根気強いリハビリがあれば必ず出口は見えてきます。今まさに激痛の中で絶望している方がいたら伝えたいのは「その痛みは永遠ではない」ということです。一歩ずつ着実に対処していくことが完治への最短距離であることを私は身をもって学びました。