おへその中が湿っていたり、嫌な臭いがしたり、あるいは下着に膿のような付着物が見られた際、多くの人がまず直面するのが、病院の何科を受診すべきかという問題です。おへそは身体の表面にあるため皮膚科を連想しがちですが、実はその奥に内臓とのつながりが隠れている場合があるため、症状の現れ方によって外科と使い分ける必要があります。まず、おへその入り口付近が赤く腫れていて、表面的な痒みや痛みがある場合は皮膚科が適しています。これはおへその掃除のしすぎによる傷や、汚れが溜まったことによる細菌感染、いわゆる臍炎である可能性が高いからです。皮膚科医は皮膚の炎症を鎮める塗り薬や抗生剤を処方し、表面的な処置を行ってくれます。しかし、もしおへその奥深い場所から膿が絶えず湧き出てくるような感覚があったり、お腹の深いところに鈍い痛みを感じたり、あるいは排尿時に違和感があるような場合は、一般外科や消化器外科、あるいは泌尿器科を受診するのが最も確実です。なぜなら、大人になっても胎児期のなごりである尿膜管という管が残っている尿膜管遺残症という病気が隠れていることがあるからです。この病気の場合、おへそが膀胱とつながっているため、内部で炎症が起きると膿がおへそから排出されます。これは皮膚の表面だけの問題ではないため、外科的な検査や処置が必要になります。外科では超音波検査やCTスキャンを用いて、おへその奥に膿の溜まりがないか、あるいは内臓との不要なつながりがないかを精密に調べることができます。また、粉瘤と呼ばれる良性の腫瘍がおへその中にでき、それが破裂して膿が出ている場合も、根治のためには袋を摘出する外科的なアプローチが推奨されます。受診を迷っている間に炎症が腹膜にまで広がると、激しい腹痛や高熱を伴う腹膜炎という命に関わる状態に陥るリスクもあります。病院へ行く目安としては、1日1回おへそを優しく拭いても翌日にはまた膿が出ている状態や、おへその周りを押すと痛みがある場合です。初診の際は、いつから膿が出ているのか、どのような臭いがするのか、発熱はあるかといった情報を医師に伝えてください。おへそはデリケートな場所であり、自己判断でお湯で無理に洗ったり、ピンセットで奥をいじったりすることは症状を悪化させるだけです。適切な診療科を選び、専門医の診断を仰ぐことが、長引く不快な症状から解放されるための最短の道となります。
おへその膿や臭いに気づいた時の受診先選び