足のむくみは、時に心臓や腎臓といった重要な内臓の病気が原因で起こっていることがあります。これらの病気によるむくみを放置しておくと、元の病気が進行し、深刻な事態を招く可能性があるため、早期の発見と治療が不可欠です。まず、心臓の病気でむくみが起こる代表的なものに、心不全があります。心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなった状態です。心臓の働きが悪くなると、血液がスムーズに流れなくなり、特に体の低い部分である足に水分が溜まりやすくなり、むくみが生じます。心不全によるむくみは、両足に現れることが多く、夕方になると強くなる傾向があります。また、息切れ(特に労作時や夜間に横になると強くなる)、動悸、体重増加、倦怠感といった他の症状を伴うこともあります。狭心症や心筋梗塞、心臓弁膜症、心筋症などが心不全の原因となります。次に、腎臓の病気もむくみの原因となります。腎臓は、体内の水分量や塩分量を調節し、余分な水分や老廃物を尿として排出する重要な役割を担っています。しかし、腎機能が低下すると(腎不全)、この水分や塩分の調節がうまくいかなくなり、体内に余分な水分が溜まってむくみが生じます。腎臓病によるむくみは、足だけでなく、顔(特にまぶた)や手などにも現れやすいのが特徴です。また、尿量の減少や血尿、タンパク尿、高血圧、倦怠感といった症状を伴うことがあります。急性糸球体腎炎やネフローゼ症候群、慢性腎臓病などが原因となります。その他、肝硬変などの肝臓の病気でも、アルブミンというタンパク質の産生が低下し、血管内の水分を保持する力が弱まることで、むくみが生じることがあります。これらの内臓疾患によるむくみは、単に足がむくむだけでなく、元の病気そのものが進行しているサインです。足のむくみが続く、急に悪化した、息切れや体重増加など他の症状があるといった場合は、内科や循環器内科、腎臓内科などを受診し、原因を特定してもらうことが重要です。
放置すると怖い!足のむくみと心臓・腎臓の病気