胃腸炎の症状が繰り返し起こる場合、「またストレスかな」と考えてしまいがちですが、必ずしもストレスだけが原因とは限りません。何度も胃腸の不調を経験している方は、一度、ストレス以外の原因についても目を向けてみることが大切です。まず考えられるのは、食生活の乱れです。暴飲暴食、脂っこいものや刺激物の過剰摂取、不規則な食事時間、早食いといった食習慣は、胃腸に大きな負担をかけ、炎症や機能低下を引き起こしやすくします。特定の食品に対するアレルギーや不耐性(例えば、乳糖不耐症など)が、下痢や腹痛の原因となっていることもあります。次に、生活習慣の乱れも影響します。睡眠不足や不規則な生活リズムは、自律神経のバランスを崩し、胃腸の働きを不安定にします。喫煙や過度のアルコール摂取も、胃腸の粘膜を傷つけたり、消化機能を低下させたりする原因となります。また、ピロリ菌の持続感染も、慢性的な胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍を引き起こし、胃腸症状を繰り返す原因となることがあります。ピロリ菌は、胃がんのリスク因子でもあるため、感染が疑われる場合は検査と除菌治療が推奨されます。さらに、前述の通り、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)といった器質的な疾患が背景に隠れている可能性も否定できません。これらの疾患は、適切な治療を行わないと症状が改善しなかったり、悪化したりすることがあります。また、服用している薬の副作用として、胃腸症状が現れることもあります。例えば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や一部の抗生物質などは、胃腸障害を引き起こしやすいことで知られています。もし、胃腸炎を繰り返す場合は、自己判断せずに、まずは消化器内科を受診し、詳しい検査を受けることをお勧めします。内視鏡検査やピロリ菌検査、血液検査、便検査などを通じて、原因を特定し、それに応じた適切な治療や生活指導を受けることが、症状の改善と再発予防に繋がります。
繰り返す胃腸炎ストレス以外の原因も探る