ひょう疽は、一度治っても、原因となる生活習慣や体の状態が改善されなければ、再発を繰り返しやすい病気の一つです。つらい痛みを繰り返さないためには、日頃からの予防策が重要になります。まず、最も基本的なことは、指先を清潔に保つことです。手洗いをこまめに行い、特に爪の間や指先は丁寧に洗いましょう。入浴時には、石鹸をよく泡立てて、指先までしっかりと洗浄します。ただし、洗いすぎは皮膚のバリア機能を低下させる可能性があるので、適度な洗浄を心がけましょう。次に、爪の切り方にも注意が必要です。深爪は、爪の周囲の皮膚を傷つけやすく、細菌が侵入する原因となります。爪は、指の先端と同じくらいの長さに、まっすぐに切り、角はやすりで少し丸める程度にしましょう。ささくれができやすい人は、無理にむしり取らず、清潔なハサミで根元からカットし、保湿クリームなどで保護しましょう。手荒れしやすい人や水仕事が多い人は、皮膚のバリア機能が低下しやすいため、こまめにハンドクリームを塗って保湿を心がけ、水仕事の際にはゴム手袋を着用するなどの対策を取りましょう。爪を噛む癖がある人は、意識してやめるように努力することが大切です。爪やその周囲に常に傷ができやすい状態となり、細菌感染のリスクが高まります。足のひょう疽の場合は、足に合った靴を選ぶことも重要です。サイズの合わない靴や、先の細い靴は、足の指を圧迫し、陥入爪や巻き爪の原因となることがあります。通気性の良い靴を選び、足を清潔で乾燥した状態に保つことも大切です。また、糖尿病などの基礎疾患がある方は、血糖コントロールを良好に保つことが、感染症の予防に繋がります。免疫力が低下しないように、十分な睡眠とバランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、ストレスを溜めない生活を送ることも、間接的にひょう疽の再発予防に役立ちます。これらの予防策を日常生活に取り入れ、ひょう疽になりにくい指先を目指しましょう。