春先や秋口など、花粉症のシーズンと風邪の流行時期が重なると、「この鼻水やくしゃみは花粉症?それとも風邪?」と見分けに迷うことがあります。しかし、原因が異なれば対処法も変わってくるため、両者の違いを理解しておくことは大切です。まず、症状の現れ方です。花粉症の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみですが、これらはほぼ同時に、あるいは立て続けに現れることが多いです。特に、くしゃみは発作的に連続して出ることがあり、鼻水は水のようにサラサラとしたものが大量に出るのが特徴です。一方、風邪の場合は、初期には喉の痛みや悪寒、倦怠感などが現れ、その後、鼻水や咳、発熱といった症状が時間差で出てくることが多いです。鼻水も、最初は水っぽくても、次第に粘り気のある黄色や緑色のものに変化することがあります。次に、目のかゆみです。花粉症では、目のかゆみや充血、涙目といった目の症状が強く現れるのが特徴ですが、風邪の場合は、目のかゆみはあまり見られず、あっても軽度であることが多いです。発熱の有無も一つの目安です。花粉症では、基本的に発熱は伴いません(ただし、他の感染症を合併している場合は別です)。一方、風邪では、微熱から高熱まで、発熱することが一般的です。症状の持続期間も異なります。花粉症の症状は、花粉が飛散している期間中、数週間から数ヶ月続くことがあります。一方、風邪の症状は、通常は数日から一週間程度で軽快していきます。また、天候によって症状が変化するのも花粉症の特徴です。雨の日は花粉の飛散量が減るため症状が軽くなり、晴れて風の強い日には症状が悪化する傾向があります。風邪の場合は、天候による症状の変化はあまり見られません。対処法の違いとしては、花粉症の場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、ステロイド点鼻薬などが用いられ、花粉を避ける対策が重要になります。風邪の場合は、安静と休養、水分補給が基本で、症状に応じて解熱鎮痛剤や咳止めなどが用いられます。自己判断が難しい場合は、医療機関を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。