まぶたに小さいものもらいができた時、普段コンタクトレンズを使用している人にとっては、大きな問題です。そのままレンズをつけても良いのか、それとも眼鏡に変えるべきなのか。自己判断で誤った対応をすると、症状を悪化させかねません。小さいものもらいとコンタクトレンズとの、正しい付き合い方を知っておきましょう。まず、基本的な原則として、「ものもらいができている間は、コンタクトレンズの装用を中止する」ことが推奨されます。理由はいくつかあります。第一に、レンズの存在そのものが、炎症を起こしているまぶたへの刺激となるからです。特に、ゴロゴロとした異物感がある場合は、レンズを入れることでさらに不快感が増し、まばたきによって患部を擦ってしまいます。第二に、衛生上の問題です。ものもらいが細菌感染による麦粒腫の場合、レンズの表面に細菌が付着し、繁殖する温床となってしまいます。そのレンズを使い続けることで、治りを遅らせるだけでなく、角膜炎など、より深刻な目の感染症を引き起こすリスクも高まります。また、治療のために抗菌薬の点眼薬を使用する場合、点眼薬に含まれる防腐剤などの成分が、ソフトコンタクトレンズの素材に吸着・蓄積してしまうことがあります。これがレンズを変質させたり、目に悪影響を及ぼしたりする可能性があるため、点眼治療中のコンタクトレンズ装用は原則として禁止されています。では、いつからコンタクトレンズを再開できるのでしょうか。その目安は、「赤み、腫れ、痛み、しこりといった症状が、完全に消失してから」です。治ったように見えても、まだまぶたの内部にわずかな炎症が残っている場合があります。自己判断で再開せず、眼科を受診して、医師から許可を得るのが最も安全です。再開する際には、ものもらいができていた時に使用していたレンズやケースは、たとえ使い捨てタイプであっても、雑菌が繁殖している可能性があるため、思い切って新しいものに交換しましょう。少しの間、眼鏡で過ごすのは不便かもしれませんが、目の健康を第一に考え、適切な対応を心がけることが大切です。