花粉症にならないためには、花粉を避けるだけでなく、体の内側から免疫バランスを整え、アレルギー反応が起こりにくい体質を目指すことも大切です。日々の食生活を見直すことで、その手助けができるかもしれません。まず注目したいのが、腸内環境です。腸には体内の免疫細胞の約7割が集まっていると言われており、腸内環境の乱れは免疫バランスの乱れに繋がり、アレルギー症状を悪化させる可能性があります。善玉菌を増やす発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌、キムチなど)や、善玉菌のエサとなる食物繊維(野菜、果物、きのこ、海藻類など)を積極的に摂取し、腸内環境を整えましょう。また、青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といったオメガ3系脂肪酸には、アレルギー反応を抑制する効果が期待できるとされています。サバ、イワシ、サンマなどの青魚を意識して食事に取り入れてみましょう。アマニ油やエゴマ油などもオメガ3系脂肪酸を豊富に含んでいます。ビタミンDも免疫機能の調整に関わっているとされ、花粉症の症状緩和に役立つ可能性が示唆されています。ビタミンDは、魚介類やきのこ類に多く含まれるほか、日光を浴びることでも体内で生成されます。ただし、過剰摂取には注意が必要です。抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eも、粘膜の健康を保ち、免疫力をサポートするのに役立ちます。緑黄色野菜や果物、ナッツ類などをバランス良く摂取しましょう。一方で、インスタント食品や加工食品、スナック菓子などに多く含まれるトランス脂肪酸や、過剰な動物性脂肪の摂取は、炎症を引き起こしやすく、アレルギー症状を悪化させる可能性があるため、控えめにすることを心がけましょう。甘いものや刺激物の摂りすぎも、腸内環境を乱したり、免疫バランスに影響を与えたりすることがあります。特定の食品だけに頼るのではなく、様々な食材をバランス良く、規則正しく摂取することが、免疫バランスを整え、花粉症になりにくい体質を作るための基本となります。