子どもは、指しゃぶりをしたり、砂場で遊んだり、転んで小さなケガをしたりと、指先に細菌が感染する機会が大人よりも多いと言えます。そのため、ひょう疽は子どもにもよく見られる皮膚トラブルの一つです。もし、子どもが指先を痛がったり、爪の周りが赤く腫れていたりしたら、何科を受診すれば良いのでしょうか。まず、第一に相談すべきは小児科です。小児科医は、子どもの病気全般を診る専門家であり、ひょう疽の診断と治療はもちろんのこと、他の小児特有の皮膚疾患(例えば、とびひや手足口病など)との鑑別も行ってくれます。また、子どもの年齢や体重に合わせた適切な薬剤の選択や処方、そして保護者へのケア方法の指導なども丁寧に行ってくれます。特に、乳幼児の場合は、症状をうまく言葉で伝えられないため、小児科医による総合的な診察が安心です。症状が比較的軽度で、皮膚表面の炎症が主な場合は、小児科での治療で十分なことが多いです。抗菌薬の塗り薬や飲み薬が処方され、数日で改善することが期待できます。しかし、症状が重い場合や、なかなか改善しない場合、あるいは陥入爪などが原因となっていると考えられる場合には、小児科医から皮膚科や整形外科を紹介されることもあります。皮膚科は、皮膚や爪の病気の専門家であり、より専門的な皮膚の処置や薬剤の選択が可能です。整形外科は、爪の変形が著しい場合や、炎症が骨や腱にまで及んでいる可能性がある場合に、外科的な処置や専門的な治療を行います。どの科を受診するにしても、大切なのは、子どもの指先の異常に気づいたら早めに医療機関を受診することです。放置しておくと、症状が悪化したり、痛みが強くなったりして、子どもがつらい思いをするだけでなく、治癒までに時間がかかってしまうこともあります。自己判断で市販薬を使用したり、無理に膿を出そうとしたりせず、必ず医師の診察を受けるようにしましょう。