まぶたに小さなものもらいができた時、それを悪化させずに早く治すためには、日々の生活の中で気をつけるべきいくつかのポイントがあります。良かれと思ってやっていることが、実は症状を長引かせる原因になっているかもしれません。まず、絶対にやってはいけないのが、「患部をむやみに触ったり、潰したりすること」です。気になってつい指で触りたくなりますが、手には無数の雑菌が付着しています。汚れた手で触れると、新たな細菌感染を引き起こし、炎症を悪化させる原因になります。特に、膿が溜まっている麦粒腫を自分で潰そうとするのは非常に危険です。菌が周囲の組織に広がり、眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)といった重篤な状態に進行する可能性もあります。膿は、自然に破れるか、あるいは眼科で清潔な状態で切開してもらうのが鉄則です。次に、女性が特に注意したいのが「アイメイク」です。ものもらいができている間は、アイライン、マスカラ、アイシャドウといったアイメイクは、症状が完全に治まるまでお休みしましょう。化粧品に含まれる成分が、炎症を起こしている毛穴や脂腺をさらに刺激したり、化粧品やブラシに付着した雑菌が感染を悪化させたりするリスクがあります。そして、多くの人が迷うのが「コンタクトレンズの使用」です。ものもらいができている時は、コンタクトレンズの装用も中止し、眼鏡に切り替えるのが原則です。レンズをつけ外しする際にまぶたに触れることで刺激になりますし、レンズ自体が雑菌の温床になる可能性もあります。また、治療で抗菌薬の点眼を使用する場合、点眼薬の成分がソフトコンタクトレンズに吸着してしまうことがあるため、併用は避けるべきです。その他、体の抵抗力が落ちていると治りが悪くなるため、十分な睡眠と栄養をとり、体を休めることも大切です。アルコールの摂取は、血行を促進して炎症を強めることがあるため、症状が落ち着くまでは控えた方が良いでしょう。これらの注意点を守り、眼科で処方された薬を正しく使うことが、小さいものもらいをこじらせずに治すための近道です。
小さいものもらいを悪化させないための注意点