開業医の真実

眼瞼下垂と診断された場合、その治療法は原因や重症度、そして患者さんの希望によって異なります。主な治療法は手術ですが、どの診療科で手術を受けるべきか、特に形成外科の役割について見ていきましょう。眼瞼下垂の手術は、主に眼科、形成外科、美容外科で行われています。眼科では、視機能の改善を主な目的とした保険診療内での手術が中心となることが多いです。一方、形成外科は、体の表面の変形や欠損などを治療し、機能的にも形態的にも正常な状態に近づけることを専門としています。眼瞼下垂の手術においては、まぶたの解剖学的構造を熟知し、機能回復はもちろんのこと、より自然でバランスの取れた美しい仕上がりを目指す治療を行います。そのため、見た目の改善も重視したい場合には、形成外科が適していると言えるでしょう。美容外科も、美容的な側面を重視した手術を行いますが、自由診療となることが一般的です。眼瞼下垂の手術方法には、いくつかの種類があります。最も一般的なのは、「眼瞼挙筋前転術（がんけんきょきんぜんてんじゅつ）」または「挙筋腱膜前転術（きょきんけんまくぜんてんじゅつ）」と呼ばれる方法です。これは、まぶたを上げる筋肉（眼瞼挙筋）の腱膜が伸びたり緩んだりしている場合に、その腱膜を瞼板（まぶたの縁にある硬い組織）に再固定することで、まぶたの開きを改善する手術です。多くの場合、二重のラインに沿って皮膚を切開して行われます。眼瞼挙筋の機能が非常に弱い場合（特に先天性眼瞼下垂など）には、「前頭筋吊り上げ術（ぜんとうきんつりあげじゅつ）」という方法が選択されることもあります。これは、眉毛を上げる筋肉（前頭筋）の力を利用して、まぶたを吊り上げる手術です。また、まぶたの皮膚のたるみが主な原因である場合は、「上眼瞼皮膚切除術」といって、余分な皮膚を切除する手術が行われることもあります。どの手術方法が適しているかは、個々の状態によって異なります。手術を検討する場合は、それぞれの診療科の専門性や特徴を理解し、医師とよく相談して、自分に合った治療法と医療機関を選ぶことが大切です。