お子さんの咳が長引いたり、走った後や夜中に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という苦しそうな呼吸音が聞こえたりすると、親としては非常に心配になるものです。子どもの喘息を疑った場合、ためらうことなくまず受診すべきなのは「小児科」です。なぜなら、小児科医は単に特定の臓器だけを診るのではなく、成長と発達の過程にある子どもという存在を総合的に理解し、診療する専門家だからです。子どもの喘息は、大人の喘息とは異なる特徴を持つことがあります。風邪などの感染症が引き金になりやすかったり、アレルギーが強く関与していたり、成長に伴って症状が変化していったりと、その病態は多岐にわたります。小児科医は、喘息だけでなく、子どもがかかりやすい他の呼吸器感染症(例えばRSウイルス感染症やクループ症候群など)との鑑別も的確に行うことができます。咳や喘鳴の原因が本当に喘息なのか、それとも別の病気なのかを正しく見極めることは、適切な治療への第一歩として非常に重要です。また、小児科の中には、特にアレルギー疾患を専門とする「小児アレルギー科」を標榜している医療機関もあります。お子さんにアトピー性皮膚炎や食物アレルギー、アレルギー性鼻炎など、他のアレルギー疾患がある場合は、こうした専門科を受診すると、喘息も含めたアレルギー全般について包括的な管理やアドバイスを受けることができます。治療においても、子どもの喘息治療は吸入薬が中心となりますが、小さな子どもが上手に吸入器を使えるようにするための指導(スペーサーという補助器具の使い方など)や、保護者の不安に寄り添った丁寧な説明が不可欠です。小児科医は、こうした子ども特有のケアに習熟しています。お子さんの苦しそうな呼吸に気づいたら、自己判断で様子を見るのではなく、まずは信頼できるかかりつけの小児科に相談することが、お子さんの健やかな成長を守る上で最も大切なことです。
子どもの喘息が心配な時はまず小児科を受診して