季節の変わり目や風邪をひいた後に始まる、コンコンという乾いた咳。あるいは、夜中や朝方に決まって起こる息苦しさ。こうした症状を、「体質だから」「いつものことだから」と諦めたり、市販の咳止め薬でごまかしたりして、放置してしまってはいませんか。その行動は、実は非常に危険な可能性があります。喘息は、単なる咳が出やすい体質というわけではなく、気道に慢性的な炎症が続いている「病気」です。この炎症を放置すると、気道の壁がだんだんと厚く、硬くなってしまう「リモデリング」という状態を引き起こすことがあります。リモデリングが進行してしまうと、気道が元に戻りにくくなり、治療への反応も悪くなって、常に息苦しさが残るような、より重症で治りにくい喘息へと移行してしまう恐れがあるのです。早期に適切な治療を開始することの重要性は、まさにこのリモデリングを防ぐことにあります。喘息の治療の基本は、発作を止めることではなく、吸入ステロイド薬などを使って日々の気道の炎症をコントロールし、発作そのものが起きない状態を維持することです。早くからこの治療を始めることで、気道の炎症を鎮め、リモデリングへの進行を食い止め、良好な呼吸機能を維持することができます。何科に行けばよいか分からずに受診をためらっている間に、病状は静かに進行しているかもしれません。大人の喘息であれば呼吸器内科、お子さんであれば小児科が専門です。もし迷うなら、まずはかかりつけの内科でも構いません。専門家による正しい診断を受け、適切な治療を開始することが、将来のあなたの呼吸機能を守るために何よりも大切なのです。少しでも気になる症状があれば、それはあなたの体が発している重要なサインです。そのサインを無視せず、勇気を出して医療機関を受診してください。早期発見、早期治療が、喘息という病気と上手に付き合っていくための最良の鍵となります。