私は20代の頃から便秘がちで排便時に出血することがたまにありましたがそのつど市販の塗り薬を使ってやり過ごしていました。しかし30代半ばのある時期を境に排便後の痛みが1時間以上も引かなくなり歩くことさえ苦痛になるほどの激痛に変わりました。それでも肛門科へ行くのはあまりにも恥ずかしく誰かに見られたらどうしようという不安から1ヶ月以上も病院受診を先延ばしにしていました。しかし痛みで仕事に集中できず夜も眠れない日々が続いたためついに意を決して「女性医師・完全予約制」を掲げる肛門科クリニックを予約しました。当日は緊張で手が震えていましたが病院の入り口は普通のビルの中にあり看板も控えめで一安心しました。受付を済ませると番号で呼ばれるシステムで他の患者さんと顔を合わせる時間も最小限でした。診察室に入ると穏やかな女性の先生が私の話を遮ることなく聞いてくれ「切れ痔は女性にとても多い病気ですよ、1人でよく頑張りましたね」と声をかけてくれた瞬間に肩の力が抜けました。診察では横向きに寝た状態でタオルをかけてもらいモニターを見ながら今の肛門の状態を説明してもらいました。私の切れ痔は長年の炎症で傷口が深くなり周囲の皮膚が盛り上がってしまっている状態で「慢性裂肛」という診断でした。先生からは今すぐ手術をする必要はないけれど数ヶ月かけてじっくり便を柔らかくし組織の炎症を抑えていきましょうと言われました。処方されたのは注入軟膏と毎食後の整腸剤でした。薬を使い始めてから驚いたのはわずか3日で排便時のあの刺すような痛みが劇的に軽減したことです。あんなに何年も苦しんでいたのは一体何だったのかと思うほど医療の力は凄まじいものでした。通院は2週間に1回のペースで3ヶ月ほど続きましたがその間に食事の内容や水分補給のコツなども丁寧に指導してもらい長年の悩みだった便秘自体も改善の兆しが見えてきました。今では排便時に痛みを感じることは全くなくなり旅行や運動も心から楽しめるようになりました。もし私と同じように恥ずかしさを理由に病院を敬遠している人がいるならぜひ勇気を出して一歩踏み出してほしいです。先生や看護師さんは毎日何十人もの患者さんを診ているプロであり恥ずかしがる必要など全くありません。むしろ放置して手術が必要になるまで悪化させることの方が将来的な負担は大きくなります。病院での数分の診察が私の生活を180度変えてくれました。もっと早く行けば良かったというのが今の正直な感想です。